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だから||。
「ベアトリクス」
「何?」
「付き合おう」
さすがに予想外の言葉だったのか、ベアトリクスは目を丸くしていた。
「それは……言葉どおり、と捉えていいの?」
オレは領いた。
「いろいろ乗り越えなければならない問題はあるけど、お前とならそれ悪くはないと思う」
ベアトリクスは頬を赤らめながら視線を惑わせている|あからさまに戸惑っている。
こいつ、こんなに可愛かったっけ?
数秒ほどの沈黙の後、ベアトリクスは前に進むと、オレにはっきりと言った。
「なら、証拠を見せて。私が貴方のものになり、貴方が私のものになるという証拠」
「おいおい! まだ、オレは付き合うと言っただけで……」
ベアトリクスはさらに顔を赤くしながら、それでもオレに言い募った。
「証が欲しいの」
……こういう状況で「証」といったら、ひとつしかないよなぁ。
オレは傍らに立つ妹に救いを求めた。
しかし、当のアイリスは苦しげに笑いを堪えていた。
「アイリス?」